2010-12-27

第九













自分で目にしたら誰だって傷つくのに
何かに恐れることで涙なんか流したくないのに
未来の種を蒔きたいだけなのに
自分を怖がらせるものは何なんだろう
僕等は自然の一部なはずなのに
誰だ ここしろああしろと 言ってくるのは
誰も 同じ過ちを繰り返したくないのに

小さな生き物たちへ
詩を
歌おう

自分で耳にしたら誰だって傷つくのに
誰かを失うことで誰も涙なんか流したくないのに
君は未来の種なのに
君は自然の一部なはずなのに
君の命は尊重されるべきなのに
君が恐れに導かれませんように
誰も 同じ過ちを繰り返したくないから

あの影を置き去りにしないで
あの猿が泣いている
ある赤ん坊が死んでいく

自分で目にしたら誰だって傷つくのに
誰が赤ん坊が泣くのを見たいというのか
その種は僕らの未来
僕は自然のひとかけら
恐れに導かれてたまるもんか
僕だけじゃない
同じ過ちを起こさせたくないのは

小さな生き物たちへ
詩を
歌おう

あの影を置き去りにしないで
あの猿が泣いている
ある赤ん坊が死んでいく

-----------------------------------------

最終章か、いやいや、Little Creatures 'Love Trio'の最後に収められている曲。
いろいろな思いをこめて書いてみた。
どうして第9なのか。ご想像にお任せします。

曲の解説は栗原がしてくれてます。


以下英語詞。----------------------------------

#9

Everybody hurts to see it

Who wants to shed a tear for fear

Who plants the seed for future

What is the cause for the fear

Aren't we a part of nature

Who tells you what to do

No one wants it to happen again


To little creatures

Here we sing


Everybody hurts to hear it

Who wants to shed a tear for loss

Your seed is our future

You are a part of nature

Your life is to be nurtured

Don't let fear lead you there

No one wants it to happen again


To little creatures

Here we sing


Don't let the shadow be left behind

The monkey is crying

A baby is dying now


To little creatures

Here we sing


Don't let the shadow be left behind

The monkey is crying

A baby is dying now


To little creatures

Here we sing


Everybody hurts to see it

Who wants to see a baby cry

The seed is our future

I'm a piece of nature

I won't let my fear lead my way

I'm not the only one

Not to let it happen again


To little creatures

Here we sing


Don't let the shadow be left behind

The monkey is crying

A baby is dying now


To little creatures

Here we sing


Don't let the shadow be left behind

The monkey is crying

A baby is dying now


To little creatures

Here we sing












2010-12-24

人生の詩

















その音に耳を傾けてみる

それは君が見つけた宝物


その声に境界線はない


君は宇宙そのもの


踊る 踊る 踊る


自由に


人生の詩


君の心は自由に羽ばたく

無のなかを

君の心は自由に流れる

君がみつけた宝物と


君の中に渦巻く

それは

きみの種

君の中に流れる

それは

きみの海

かもめは

きみの鳥

君の中に羽ばたく

それは

きみの鳥

君の中で探しているもの

それは

きみの言葉

それこそ

きみの詩


その音に耳を傾けてみる

それは彼が見つけた宝物


その声に境界線はなく


君は宇宙そのもの


踊る 踊る 踊る


自由に


人生の詩


-----------------------------------------


Little Creatures "LOVE TRIO" 7曲目 "Poetry of Life"

日本語にしました。


英語で書いた元々の詩。

これだ、

1、2、3。



Poetry of Life



Listen to the sound

Treasure you have found


The voice has no bound

You are the cosmos


Dance round and round and round


Dance round and round

Feel so free


Poetry of life


Let your heart fly free

In emptiness

Let your heart flow free

with treasure you have found


Secret

Turning in you is your seed

Secret

Flowing in you is your sea

Seagull is your bird

Secret

Flying in you is your bird

Secret

searching in you is your word

Secret is your song


Listen to the sound

Treasure he has found


The voice has no bound

You are the cosmos


Dance round and round and round


Dance round and round

Feel so free


Poetry of life


Secret

Turning in you is your seed

Secret

Flowing in you is your sea

Seagull is your bird

Secret

Flying in you is your bird

Secret

Swimming in you is your word

Secret is your song



2010-12-23

いとしの宇宙人













彼女は
僕のいとしの宇宙人
あっちの世界からやってきた
そんな彼女が見せてくれた写真

She is my sweet alien
She came from the outer space
She showed me a picture

彼女が目にしたもの
とても気に入ってたみたい

She said that's what she saw
And she loved what she saw

あまりにも青くて

So blue

だから彼女はやってきた
そこで彼女が目にしたものは
あまりにも恐ろしく

She said that's why she came
And she feared what she saw

彼女は
僕のいとしの宇宙人
とっても青い
その惑星が大好きで

She is my sweet alien
She loves the planet that's so blue

けど
彼女が目にしたものは
その惑星を真っ黒にしていく僕たち人間

Now she saw us paint it black

------------------

Little Creatures "LOVE TRIO" 2曲目。

この場を借りて日本語詞に。

2010-12-22

原点



















かつて
サンフランシスコから帰ってきて
英語を教えていた

都内の喫茶店で

その生徒は当時二十歳。

7年後

その生徒が帰ってきた

サンフランシスコから

たまたま
たまご

おいらと同じ大学で
芝居の勉強して帰ってきた

ギラギラしてる
きっと
真剣に悩んでる

自分で切り拓いていくが故の
自信と不安

おいらが習った同じ先生から
芝居習って
おいらが一緒に芝居したミッシェルと
芝居して
帰ってきた

そりゃ
感無量だぜ

–−−−-−−−−-−−−




かつて高校在学中に

たまたま
たまご

一緒に通ってた
友人たちのバンドが
今年結成20周年

僭越ながら

一緒にバンドやったり
一緒にバスケやったり
一緒に芝居作ったり
してたっけか。

小さな生き物たち
Little Creatures

3日前に結成20周年ライブ
行ったさ

身内だからではなく
史上最強のライブだった

そりゃ
感無量だぜ

2010-11-19

初めての差入れ

お芝居の本番をやっていると、差入れといってお客さんからお花やお菓子、ビールをもらう。通常は俳優として出演してる場合。
今回、自分は演出助手として今の作品に関わっている、のでありますが、とある方から頂きました、差入れ。
演劇の世界に、小道具を作るつもりで入られ、気づいたら俳優をやらされてた、という心優しき方より。
彼は今、病気と戦うぞ!と毎日河原を30分歩く。そのときに形に惚れる石を拾い集める。
拾い集めたひとつひとつの石に、道化の顔を描き、僕にはこの石に描かれたこのピエロをくれました。

2010-11-17

作品紹介




















というよりも、過程の報告。

何もない空間に俳優たちは立ち、ひらがなで綴られた言葉を発する。その言葉が登場人物の行動となり、そこにいる人物達の関係性を産む。

何もない空間でダンサーたちは動き、言葉を描き、言葉を抱える。その動きが登場人物達の行動を映し出し、そこという空間から具体的な空間を産む。

過去にしがみつく者。
知識にしがみつく者。
お金にしがみつく者。
未来にしがみつく者。
与えられた環境にしがみつく者。
過去にも未来にもしがみつくことを辞めた者。
はじめっからしがみつくもののない者。

7人の価値観が、7人の俳優と7人のダンサーによって摩擦する。

どうして、そこまでして、しがみつこうとするの?

じゃあ あなたのきは どんな き?

といった芝居。

こんな実験、滅多に観れないと思う。
是非。


2010-11-14

あと3日















・・・で芝居の本番が始まる。芝居の稽古中は本当に時間の感覚がなくなる。曜日の感覚は皆無、メールの返信が追いつかず、もしくは、返信を繰り返す。

この演出家すげえなって思ってた人と仕事をしていると、すげえって思った理由が見えてくる。
とにかく時間が足りない。手を抜かないから、具体的にしたいことが沢山あるから、時間がかかる。時間をかける。プラスおいらの通訳を介すから余計、伝達に時間かかる。

稽古中は通訳しながら時間との闘い。合間を見て演出についてのトーク。
でも合間はあくまでも合間だから、実際ない。

稽古後、通訳を介する必要なくなり、ようやく演出についてのトーク。気付くとてっぺん(0時)を超えてる。

帰宅後、気を沈めたいのか料理をし始める。
現在2時。つけ麺のつけ汁作りに挑戦中。

芝居は素舞台。
ごまかせない、ごまかしのきかない作品です。

観に来てください。

さくら の その にっぽん

シアターX にて

17日より。

多和田葉子・作。
るてぃ・かねる・演出。

俺・演出助手。

公演詳細、以下サイトにて:

2010-10-25

Little Creatures 新作アルバム 'LOVE TRIO'


















中高からの同級生、Little Creatures がやらかしてくれてます。
5年振りの新作アルバム ’Love Trio.’

つまるところ、”愛の3人組” 。  。  。




01. The Sand Cage
02. My Sweet Alien
03. Dragonfly Day
04. Grace Was Gone
05. Crimson Shadow
06. Fairytales
07. Poetry Of Life
08. You Remain The Same
09. Mr. Cricket
10. The Oar
11. California
12. ♯9




2曲目 いとしのエイリアン
7曲目 人生の詩
12曲目 第9

翻訳するとこのようなタイトルになる次第ですが、
この3曲、作詞させて頂いております。

12月15日に発売です。


聞かなきゃ損損です。
手前味噌ながら、必聴アルバムです。

2010-10-23

さくら の その にっぽん 


今夜はひとり静かに(エッヘン)

金沢のホテルに泊まり、

あっ、芝居の案内をせねば、と、

この機を有効的に使う次第。

ホントにホンキで観てほしい芝居ですので、

金沢の静かな夜を利用して

案内させていただきます。





ロシアに

チェーホフ と いう名の劇作家が いました。

僕が大好きな劇作家です。お医者さんなのにお芝居を書いていた人。

トルストイ、ドストエフスキー、チェーホフ、、、
恐るべし文学大国、ロシア。



彼が死ぬ間際に書いた戯曲、「桜の園」。

さくら の その、 やま、 にわ。



「何か大事なものを忘れてきたような気がする。」



ベルリンに

多和田葉子 と いう 作家が います。

彼女が 書き下ろした作品、


戯曲は すべて ひらがな。
一目で意味が伝わってくる記号化された漢字では
書かれていない戯曲。

チェーホフにインスピレーションを受けて。

さぁさぁ、俳優は大変、か。



ひらがなの冒険が始まった最初のきっかけは



イスラエルに

ルティ・カネル と いう 演出家 が いて、

日本語を ひらがなだったら 読めるから、と。

結果論ながら、それが効をきして。

想像力が膨らむ作品に。

さて、そのイスラエルから来た演出家、ルティ・カネル。
僕としては、ようやく一緒に仕事が出来る!と思える、めっちゃ尊敬?敬愛?敬慕?している演出家。

僕としては、

世界に現存する演出家のナンバーワンのひとり。

だから、そんな人と一緒に仕事できるなんて、ぶっちゃけしんどい。

吸収したい勢いと吸収できるキャパが比例しない。

通訳に忙しくて、じっくり想いを熟す暇がない。
想いを巡らしていると、俳優がキョトンとした顔して、俺を見てる。

おっと。

この作品にて、おいらは演出助手してます。

こういう実験は
やっぱり
少しでも 多くの 人に 見てほしいな。

以下詳細:

チラシのPDF:


2010-09-29

Giacometti Midnight Party














来る10月1日、おいらの仲良しデザイナー、永澤成樹のブランド、Giacometti.がパーチーを開催。ワクワクするぜ。おいらも久し振りに稽古がお休みの日、出陣しまっせ! アソビマショ。


以下詳細:


2004年に設立以来、洋服をとことん追求した玄人好みのデザインとディテール、パターン、

テキスタイルにこだわった日常着を提案するファッションブランド "Giacometti."

そのGiacometti.と、その仲間たちが東京のファッショニスタに贈る最高にエレガントな

ミッドナイトパーティーを開催。

Giacometti.のデザイナーの1人、tsuyoci etoiles氏、そしてMark Ronsonの弟である

Alexander氏もACTとして参戦。

さらにさらに、SECRET GUEST!!!!


当日はエントランスにて添付の画像を見せていただければ、エントランスフリー(Dオーダー別)にてご案内いたします。

また、Giacometti.の商品を着用してきた方は、タグをエントランスで見せていただければ、

エントランスフリー(Dオーダー別)にてご案内いたします。


---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2010.10.01(FRI)

Midnight Giaocometti.

open/21:00-to late

at Le Baron de Paris


Act

Alexander

tsuyoci etoiles(giacometti.)

SUGER BROTHERS(kiss)

YOSUKE SAITOSEDONA

NIRAI

and SPECIAL SECRET GUEST!!

Giacometti.

Le Baron de Paris

東京都港区南青山3-8-40 青山センタービルB1F
Tel: 03-3408-3665
Fax: 03-3479-1766
Web: www.lebaron.jp









20歳未満の方のご入場はお断りさせて頂きます。また、

IDチェックを実施しておりますので写真付身分証明書をお持ち下さい。

YOU MUST BE OVER 20 YEARS OLDS WITH PHOTO ID TO ENTER



2010-09-27

青柳拓次 まわし飲み ライヴ















久々に素晴らしいライヴを見させてもらいました。

青柳拓次 まわし飲み。本人名義で出した2枚目のアルバム発売記念ライブ。



沖縄の音や太鼓の音や祭り囃子の音に出会いつつ。

日本語に出会いつつ。
DNAを再確認するような。

ひとりで創ること。
みんなで創ること。

奏でる音も、芝居も、生きることも。
ひとり と みんな を 繰り返すのかな、と。

青柳は自分名義で音の発見と実験しつつ。
一緒に音を奏でる人と関わりつつ。
KAMA AINA名義で実験しつつ。

バンドでも実験しつつ。
お互い持ち寄った音と関わりつつ。

もうじき、そのバンド - Little Creatures も 5年振りにアルバム出すぜよ!

俺も3曲、詩を書かせてもらいましたぜよ。

青柳拓次 まわし飲み。

Little Creatures  アルバムタイトル・・・未明。

必聴なり。

2010-09-09

blah blah blah



















いやぁ時間が経つのが早い。きっといろんなことに向き合ってきてるんだろうけど、文章を書くことにしばらく向き合ってませんでした、ブログという形で。

最近、作詞の仕事が続いていて、じっくりことばを書くことに集中。送られてきた音に繰り返し自分の集中を重ね、音から生まれてくるイメージと自分の中から浮かび上がってくるイメージをことばにして曲に重ねる。自転車乗りながら、電車に乗りながら、部屋の中うろちょろしながら、イメージが降ってくるのを、ことばが降ってくるのを待つ。待てど暮らせど降ってこなければ、想像から離れる。すると電車の乗り換えかなんかしてるときに、作ろうと構えてない瞬間にことばが浮かんできたりして、そのときは作詞していることも忘れてるから、ちょっと間があって、あっこれだ歌詞、なんて思い、急いで携帯にメモ。

久しぶりに詩を書きました。

そのアルバムが出るのは11月頃とか。音も素晴らしいです。早くみんなに聞いてもらいたい。

イスラエルから女性の演出家ルティ・カネルさんが来日、通訳と演出で一緒に仕事させてもらってます。戯曲は多和田葉子さんというベルリン在住の作家。台詞は全部ひらがなで書かれている。これまた言葉と向き合う作業。小さい子供がはじめてことばに出会っておもちゃみたいにそのことばで遊ぶ感覚。ことばから連想する個人個人の思い。ことばの音とリズム。ことば自体が持ってる感情。
いやいや、特に日本語は奥が深いなと感動しつつ。普段通り過ぎる、見逃していることばの存在。なんか、当たり前に空があって星があって、空気があって呼吸しててみたいに、ことばもあるから、ことばを意識するってのはいやはやなかなか面白いし、ひとつのアプローチでいかない。あっちからもこっちからもアプローチできちゃう。漢字だと音にしなくてもその意味が目に飛び込んでくるけど、ひらがなだとそうはいかない。そこには記号化されてない音がある。ほとんどの言語だと、アルファベットしかない。でも日本語はあれもこれもある。韻も沢山踏んでる。はし って橋、箸、端・・・もしくは走ってる感じ? みたいな。
こんな演劇を創る過程を経験できるのはめちゃ面白い。しかも、この演出家。世界広しと言えどもナンバー1の一人だと思います、僕はワークショップを受けたり、彼女の作品を見たりしたなかで、説明ではない芝居を創る希有な人。大体が説明ですから、今の芝居って。いや、芝居に限らず説明が溢れてる世界ですかね。

ようやく彼女と一緒に仕事ができることに喜び感じてます。

その芝居の公演は11月頃とか。実験はエンドレスです。

そんな中、ってどんな中?って感じですが、朗読の公演があったり撮影があったり、色々と旅をしつつ。

昨日はこんなところに撮影に行ってきました。




















こないだはこんな山奥に朗読をしに。



















その帰り道。



















ほんでもって明日は朝7時から丸の内カフェで 
“丸の内美人講座”にて 演劇的?な英語の教室を教えに行ってきます。
もう寝なきゃ。

丸の内朝大学!

2010-07-16

喜多方、そして最近

昨日から喜多方に行ってました。

喜多方と言えばラーメン、と妄想を膨らませつつ、今回行ってきたのは
劇団銅鑼の「ハンナのかばん」の喜多方公演のため。
元々10人で創った芝居を最近は5人で出来るように作りかえてきた芝居なんですが、今回は久々の10人ヴァージョン。
だったのだが、劇団の諸事情が重なり9人しか・・・と。
キャストも新しい人が加わったりとかするなかで、演出してる自分としては俺も行かねばと。
そのうえ9人なら俺入れて10人になるから俺も出る!と。

やってきました!

1000人の中学生の前で。
1回目は10時15分から。
2回目は14時15分から。

朝10時に芝居をするのも
1000人の中学生の前で芝居するのも
演出と出演を同時進行するのも

初めての体験でした。

演出側としては
自分のイメージをキャストやスタッフに伝えてなんぼですが、
出演してみて
やる側はどんだけ大変か!!と実感。

チャップリンは自分で監督して主演したな、と。
ローレンス・オリヴィエも。
バスター・キートンも。

--------------------------------

最近は
撮影の現場に行って、ひたすら走ったり
イベントの準備をしたり
島田雅彦さんや、田口ランディーさんや、飯田譲治さんの本読んで
舞台化出来ないか、妄想したり、相談したり、直接交渉したり
作詞したり
ハーブやトマト育てたり
MoSo村というコミューン作りに参加したり


そして今朝は喜多方にて朝7時にラーメンを食べたり



2010-07-06

逃亡弁護士 刑事役















いやぁ、一ヶ月以上も更新をしとらんことに気付きました。時間が経つのが早すぎる。梅雨を梅雨と感じないまま7月になってしまいました。

突然ではございますが、今夜から始まる「逃亡弁護士」。端役ではございますが出演致しております。

とにかく走ってます。
撮影の翌日は軽い肉離れです。

毎週火曜日夜10時フジテレビ系列にて!

*写真は出演されている前川泰之さんのブログから拝借。一緒に走っている刑事たちと。

2010-06-02

大野一雄先生、ありがとう。



















サンフランシスコの留学から帰ってきてまもなく、僕は大野一雄氏の舞踏の稽古に通い始めた。

アメリカで演劇を学んでいくなかで、どうしようもない言葉の壁にぶつかっていたものだから、言葉以外の表現方法を模索していた矢先に僕はアメリカで舞踏を知った。

とにかく言葉が通じないって言うのがとんでもないコンプレックスでさ、周りのアメリカ人の俳優志望の学生は当然ペラペラ早口(って本人たちにとっては全然早口ではないんだけど)で会話もするわ、芝居もするわで、俺なんかは台詞何言ってんのかわかんないってとこからだから、くやしいのなんの。だから、ある意味逃げかもしれんが、ことばでない表現方法探してたら、舞踏に出会ったわけです。勿論、ちゃんと発音できないから芝居できません!ってのは悔しいから、大学では芝居もがんがんしたけどね、ネイティブの発音にまでは行けなくても、芝居したかったし、学びたかったし。

ほんでもって、日本帰ってくると逆に日本語で芝居するのが恥ずかしくて恥ずかしくて。I love you はまだしも、愛しています、というのが恥ずかしいみたいな。嘘にもならんし本当にもならんみたいな中途半端なぎこちなさ感じたり。

だからいきなり芝居にはなかなか行けず、そんな中、足を運んでみたのが大野一雄氏の舞踏研究所。23歳の秋でした。大野先生、89歳。

3年通いました。大野先生は何かを教えるとかではなく、自分の想像や空想や妄想や具象や抽象をみんなとわかちあう感じ。こうしたら、ああしたらではなく、ただみんなで踊る。こう言ったら語弊があるかもしれないけど、基本的にはいつも同じことを言ってるんです、お母さん、そして宇宙。産卵するために川を上って行く鮭も、乳を飲ませる母も、子宮のなかの胎児も、全てを包括する宇宙も、そこには隔たりが全くない。いっしょくたん。混沌も統一も。大野先生にとって、宇宙と愛は同義語だったのかもなと今になって思います。


















稽古に通い始めた頃、「わたしのお母さん」という作品で会場整理をしました。舞台上に客席を作ったので、そこに座る観客を案内する役目。当然、僕も舞台上で本番中はその観客席の間から観れるわけです。本番が終わった時には僕の両袖は鼻水でカピカピになってました。誰かが踊るのを見て、涙でぐしゃぐしゃになるというのは初めての体験でした。どうしてかと聞かれても未だによくわからない。終演後は会場整理どころでは当然なく、放心状態。振り返ってみて言葉にしようとするのであれば、体の中味が空っぽになったような感じ。

目で見たものだけを言うのであれば、長髪の89歳のおじいちゃんが体を白塗りにしてお膳と一緒に踊っている、ということ。じゃあ、それを見て感動してしているのはなんなのか? 未だ言語化をあきらめざろうえない感覚、なのかな。これこれしかじかの理由で感動しました、って言えない。愛だよ、魂だよ、肉体だよってことばに凝縮できない。

緑濃い森に行って

夕日が落ちる海岸線を見て

誰かの歌声を聞いて

電車の中でお母ちゃんに抱かれてる赤ちゃんをみて笑ってるサラリーマンの笑う顔を見て

誰も説明できない感動。でも大勢だろうが少人数だろうが普遍的な感動。
何がどう心に触れるんでしょうね。

大野先生の家にお邪魔すると、いつも奥さんのチエさんが春菊と貝柱の天ぷらを作ってくれました。先生の大好物。沢山揚げてくれるので沢山食べました。そのチエさんが亡くなったのが約10年前。先生が全身で踊っていたのもその頃までだったのではないかと記憶しています。

大野一雄。103歳。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。


2010-05-29

父が最初に買ってくれたカセットテープ















小学校4年生のとき、銀座に観に行った最初の洋画がE.Tだった。
はじめての字幕。そして僕は母に聞いた。
「ぼっき ってどういう意味?」
母曰く、となりのカップルがくすくす笑っていたらしい。これはあとになって聞いた話。
映画を見終わった後、確か凮月堂だったと思う、ハンバーガーだかサンドウィッチをそこで食べた。食べ物用の小さいエレベーターから出て来た俺の食べ物。当時の俺にはとても画期的で、未来的だった。1980年。

その帰り、確か秋葉原だったと思う、カセットテープ屋さんに行った。
父がカセットを2本買ってくれた。
1本がE.Tのサントラ。





そして、もう1本がルイ・アームストロングのベスト。緑色のジャケットだった。
サッチモ。
聞きまくった。

多分、そのカセットたちは今も押し入れのどこかにいるはず。

どうしても What a Wonderful World を聞きたくて、CDを昨日買った。
今夜そのCDを聞いている。ペットの音もサッチモの声もたまらない。

今度開くパーティーで どうしても聞きたくて、友人のF.I.B. Journal のボーカル、山崎円城に歌ってくれよとお願いした。
快諾してくれた。

そういえば俺の父は、多摩川に俺を連れて、青いアディダスのジャージを着てトランペットを吹きに行ってたな。サッチモを吹いてた。

そういえば俺の父は、ワインを飲むとコルクを焦がして、その炭を顔に塗って、サッチモの真似をしてくれてたな。


2010-05-25

観に来て!「ハンナのかばん 板橋公演」




















本日はすんばらしい五月みどり、いや五月晴れですね。

本日は皆さんに芝居のお知らせです。

僕が演出を引き継いだ芝居のたった1日の東京公演があります。
場所は成増。嫁が主演です。昨年2月に初演の「ハンナのかばん」。僕がかつてイスラエルで作った芝居の演出家を劇団銅鑼が日本に呼んで作った作品。まぁ、その稽古で嫁に会った訳ですが・・・。なりそめはさておき。
演出家の帰国後、日本中をツアーにて回ってきた訳ですが、今回は言わば凱旋公演。イスラエルの演出家帰国後、彼の意志や方法論を引き継ぎつつ、僕なりの演出やアイデアを織り交ぜてきました。
今回の板橋での公演は板橋に住む方々(保育園の先生やタクシー運転手や豆腐屋さんや)が、地元でどうしても上演したいと実行委員会を立ち上げて、実現された企画。スポンサーに頼ることもなく、全て自分たちで頑張っている、こういう人達の頑張りがあって自分たちが芝居を作れる環境を頂いているんだと確信。
少しでも多くの方に観て頂こうと、開演を7時半にしたり(公共ホールでは開演を遅くするのは難しい)、3枚以上で割引にしたりと熱き人々の思いで実現した公演です。

観に来れる方、連絡くだされ。チケット用意させていただきます。

以下詳細。

ハンナのかばん 劇団銅鑼第38回公演

2010年6月17日(木) 19時30分開演 (開場19時)

会場 成増アクトホール(東武東上線成増駅直結。池袋より準急・急行で一駅、9分。) 
板橋区成増3-11-3 TEL 03-5998-6881

料金 3,500円 3名以上申し込みの場合、1名2,500円 当日18時半より指定席に切替え。