2017-03-09

劇団わが町公演「恐れを知らぬ27人の劇作家?と49人の俳優たち」




川崎市に住む小学生、中学生、10代や20代の若者、そして様々な世代の大人たちが現代の日本をテーマに書き下ろした約30の短編戯曲を彼ら自ら演じるという試み。

目から鱗どころではありません。どの作品も堂々と世界に誇れるものばかりです。

劇団わが町公演「恐れを知らぬ27人の劇作家?と49人の俳優たち」

明日川崎市アートセンターアルテリオ小劇場にて開演致します。


劇団わが町 第6回公演「恐れを知らぬ27人の劇作家?と49人の俳優たち」

“みんなで書いた、わたしたちの“今” “今”を見つめる目が わたしたちの“明日”をつくる”

2017年3月10日(金)~12日(日)
川崎市アートセンターアルテリオ小劇場

10日(金) 19:00
11日(土) 14:00/18:00
12日(日) 13:00/17:00
※開場は開演の30分前。

【料金】一般 2,500円/学生(小学生~高校生)1,000円 ●全席指定・税込


2017-03-03

夢の実現:劇団銅鑼公演「彼の町:チェーホフ短編集より」



ついに念願叶う日が近づいてきた。

約25年前、サンフランシスコの大学で演劇を学んでいた頃、チェーホフが大好きな先生がいて、その情熱から僕もチェーホフを漁るように読んだ。勿論英語で。大学では白人だらけのキャストの中、唯一の日本人留学生として「三人姉妹」に出演し、演出の授業で半年かけてチェーホフ短篇集の舞台化に取り組んだ。その時以来、いつか大人になった時にもしも演劇を生業にして生きているようであれば、チェーホフの短篇を演出したいと夢見ていた。

約5年前、震災後の家族をテーマに言葉にならない言葉を探すために、あえて言葉を使わない無言劇「あやなす」を劇団銅鑼の有志らと創造した。それを観た銅鑼の創始者で名優、鈴木瑞穂氏が「チェーホフ的でした」と手紙をくれた。僕は間髪入れることなく僭越にも「一緒にチェーホフの短篇集をやりませんか?」と返事した。瑞穂さんも、彼が44歳の時にチェーホフ役で出演した劇団民藝公演「想い出のチェーホフ」以来、いつか短篇集をやりたいと夢見ていたそうで、「是非実現させましょう!」と返答をいただいた。


(写真:宮川舞子)

ついにその幕が3月15日、六本木の俳優座劇場にて開く。

劇団銅鑼創立45周年、おいらも生誕45周年。そして鈴木瑞穂氏は倍の生誕90周年!!

音楽はすべて山田由起子によるチャイコフスキーのピアノ生演奏。美術・池田ともゆき、衣装・坂本真彩、照明・鷲崎淳一郎、音響・坂口野花、そしてフィジカル・原田亮はいつもお世話になっている僕の座組の最強の布陣。そして、脚本は今回初タッグを組ませていただいた青木豪。

泣いても笑ってもたったの6回公演のみ。
劇場にて皆さんのお越しをお待ちしております。

詳細は劇団ホームページをご覧ください:
http://www.gekidandora.com/titles/kanomachi/


劇団銅鑼創立45周年記念公演
「彼の町」− チェーホフ短編集より

作/青木豪 演出/大谷賢治郎

2017年3月15日(水)~3月20日(月祝)
六本木・俳優座劇場 〒106-0032 東京都港区六本木4-9-2 TEL:03-3470-2880
都営地下鉄大江戸線「六本木駅」6出口すぐ
東京メトロ日比谷線「六本木駅」4a出口 徒歩1分



3.15水 19:00
3.16木 19:00
3.17金 14:00
3.18土 15:00
3.19日 14:00
3.20月 14:00



staff
美術・池田ともゆき 照明・鷲崎淳一郎 音響・坂口野花
衣裳・坂本真彩 音楽/ピアノ演奏・山田由起子 振付・原田亮
舞台監督・稲葉対介 演出助手・宮藤希望 舞台監督助手・村松眞衣
バリアフリーサービス・鯨エマ 宣伝美術・山口拓三(GAROWA GRAPHICO)
制作チーフ・小関直人 制作サブ・田辺素子 平野真弓 佐久博美

cast
鈴木瑞穂(オフィス・ODA/団友)館野元彦 三田直門 佐藤響子
竹内奈緒子 井上太 向暁子 真原孝幸 川邊史也 齋藤千裕
山田由起子(ピアノ演奏)

【チケット料金】全席指定席/消費税込 一般/5,000円 25歳以下/3,000円
障がい者手帳をお持ちの方・・・ご本人/4,500円 25歳以下/2,700円
               付添人(お一人のみ)1,000円

 視覚障がい者のための音声ガイドサービスあり 
  日程 17(金)18日(土)19(日)20(月・祝)【要予約】
☆視覚障がい者向け舞台説明会あり 日程 18(土)14:00~【要予約】
♪アフタートーク 16(木)終演後 青木豪(作家)×大谷賢治郎(演出家)
              進行役 徳永京子(演劇ジャーナリスト)
 聴覚障がい者の方には事前に台本の貸出をします。また、当日簡単な台本(お助け本)を希望者にお渡しします。チケット予約の際、お申し込みください。
申込先 e-mail info@gekidandora.com【全公演/要予約】
音響体感システム付公演 3月18日(土)15時開演の部 10席限定

体感音響システムとは・・・
振動装置が組み込まれたポーチとザブトンクッションで構成されており、
これらのシステムを使用すると、振動が身体に伝わり、聴覚障がいをお持ちの方(補聴器を使っている難聴、または中途失聴の方)も、ヘッドフォンや磁気ループからの音と一緒に全身で音楽を楽しむ事ができます。生まれつき耳の聞こえないろうの方は、振動によってのみ音楽を楽しむことができます。
また音量や振動の大きさはお手元のリモコンで調節できるので、ご自分の聴力に合わせてお使いいただけます。

パイオニア株式会社HP http://pioneer.jp/corp/society/contribution/music/karadadekikou/system/
 
■開場は開演の30分前
■開演時間に遅れますと指定のお席にご案内できない場合がございます。予めご了承下さい。
■当日のキャンセルはお受けできません。
■未就学児のご入場・お車でのご来場はご遠慮ください。
チケット取扱い

●劇団銅鑼/TEL 03-3937-1101(平日10:00−18:00)
       e-mail : info@gekidandora.com 
                 URL http://www.gekidandora.com
●こりっち PC https://ticket.corich.jp/apply/78509/
      mobile phone http://ticket.corich.jp/ apply/78509/
●チケットぴあ /0570−02−9999(Pコード 445−003)
●e+ (イープラス) http://eplus.jp/(パソコン・携帯)




2017-02-16

青年劇場「原理日本」開幕に向けて:「古を稽(かんが)え、今に照らす」




「稽古」とは本来、「いにしえを考える」ことだそうである。中国の書経にある言葉で、日本では古事記に「照今」という言葉と共に使われている。つまりは「稽古照今」、過去に思いを巡らせ、今に照らし合わせて考えることとして使われていた言葉なのだろう。
  今我々が演劇に於いて「稽古」していることはまさにこういうことなのだろうとつくづく思う。「原理日本」は黒澤明や木下恵介の映画のシナリオを多く手掛けた久板栄二郎氏が1970年に俳優座に書き下ろした、日本の戦前から戦後を描いた戯曲である。きっと1970年の日本を検証するために戦争前後の日本を振り返ったのであろう。ところが、である。2017年にこの戯曲に取り組む僕らは、この戯曲が恐ろしくも日本の未来を描いていることに気づかされているのだ。「今に照らす」どころか未来を照らしているのである。
  きっと我々が今最もすべきこと、それは文化や世代を超えて、社会、観客、そして芸術家である自身や同志との、足の引っ張りあいではない建設的な対話を通して、「未来への想像力」をしっかりと養うことだと思う。歴史に学ばない為政者が世界を動かし、恐ろしい未来を築いていく、それはもはや仮定でも仮想でもないのだ。

青年劇場「原理日本」、明日開幕します。

チケットがあるのは17日19時、18日19時、21日19時、23日19時、25日19時の回のみ。

劇場にてお待ちしております。


青年劇場 小劇場企画No.21
「原理日本」

作・久板栄二郎
演出・大谷賢治郎

2017年2月17日(金)~26日(日)

劇場・青年劇場スタジオ結 東京都新宿区新宿2-9-20 メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅徒歩2分
料金・(一般4,500円のところ)関係者割引4,200円 (僕に連絡を!)
   U30(30歳以下)3,000円

美術・池田ともゆき 照明・鷲崎淳一郎 
音楽・青柳拓次 音響効果・坂口野花
衣裳・宮岡増枝 フィジカルトレーナー&演出助手・原田亮 
ドラマトゥルク・広戸聡 宣伝美術・八木克人 
舞台監督・松橋秀幸 製作・福島明夫 製作助手・広瀬公乃

出演:
杉本光弘 島本真治 奥原義之 浦吉ゆか 大山秋 
矢野貴大 安田遼平 傍島ひとみ 沼田朋樹


2017-02-03

青年劇場公演「原理日本」演出します。

おっと、新年の挨拶をと思っている間にもう2月になっちまいました。早いもので今年も残すところあと11ヶ月。気づいたらもう正月!なんてことになりかねませぬ。
今年に入りまして演出作品が3本続きます、と言った見出しで書こうと思っていたブログ、既にそのうちの1本を無事終えました、という事後報告に切り替えつつ、久しぶりに投稿させていただきます。

15年以上続く日韓演劇交流センターによるイベント、韓国現代戯曲リーディングにこの度光栄にも演出として関わらせていただきました。僕が演出したのはチャン・ウジェ氏による「アメリカの怒れる父」。韓国や日本を題材にしていない戯曲がこのイベントで紹介されたのは初めてのことだったそうです。この戯曲は2004年5月にイスラム武装勢力によって斬首されたアメリカ兵、ニック・バーグの事件、そして彼の父親である、マイケル・バーグが英国の戦争阻止連合宛に書いた「一通の手紙」をモチーフにアメリカを舞台にした作品でした。稽古中にアメリカではトランプ政権が誕生、様々な差別政策が打ち出され、戯曲の内容と今のアメリカの姿が恐ろしいほどに重なっていき、胸が張り裂ける思いで本番を迎え、悶々と無事に終えました。



















そして、2月本番の青年劇場公演「原理日本」、3月本番の劇団銅鑼公演「彼の町〜チェーホフ短篇集」にシフトを切り替え、取り組んでいる次第であります。「彼の町」についてはまた改めて触れるとして、まずは「原理日本」!!

























黒澤明監督作品、「わが青春に悔いなし」「悪い奴ほどよく眠る」そして「天国と地獄」の脚本を手掛けた劇作家・久板栄二郎が、日本が戦争に向かっていく姿を実在の人物たちを通して映し出す、1970年に俳優座に書き下ろした渾身の戯曲、「原理日本」。

「神ながらの道」と神の名のもとに国粋主義を唱える登場人物たちの姿は、現在の世界、すなわちキリスト原理主義を利用するアメリカ政権、イスラム原理主義者、そして「国家神道」を唱える日本の政権の姿のようで、まさに今の日本で上演すべく作品との出会い。

しかししかし、1970年に俳優座で上演されて以来、今日まで一度も上演されていないこの作品、正直、最初劇団から話をもらった時、戯曲を読んで挑戦状を突きつけられた思いでした。しかしこの挑戦状は絶対に今の日本に共有されるべく課題を与えてくれると思い、すこぶるやりがいのある悪戦苦闘の毎日を稽古場で過ごしています。

音楽は今回も盟友・青柳拓次。

是非是非、新宿御苑にある青年劇場のスタジオに観に来ていただきたい。

青年劇場 小劇場企画No.21
「原理日本」

作・久板栄二郎
演出・大谷賢治郎

2017年2月17日(金)~26日(日)


2月
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
14:00
19:00
-


劇場・青年劇場スタジオ結 東京都新宿区新宿2-9-20 メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅徒歩2分
料金・(一般4,500円のところ)関係者割引4,200円 (僕に連絡を!)
   U30(30歳以下)3,000円

美術・池田ともゆき 照明・鷲崎淳一郎 
音楽・青柳拓次 音響効果・坂口野花
衣裳・宮岡増枝 フィジカルトレーナー&演出助手・原田亮 
ドラマトゥルク・広戸聡 宣伝美術・八木克人 
舞台監督・松橋秀幸 製作・福島明夫 製作助手・広瀬公乃

出演:
杉本光弘 島本真治 奥原義之 浦吉ゆか 大山秋 
矢野貴大 安田遼平 傍島ひとみ 沼田朋樹

『あのときなぜ 日本は戦争に向かっていったのか』
戦争への道は、言論の排斥で作られていった!
今、必要なのは論理でも、理屈でもない!神ながらの道、国体明徴!
国粋主義を説き、「原理日本」を主宰する猿田彦市。京大の滝川教授、東大の美濃部達吉博士弾劾の急先鋒に立ち、世論の支持を受けた彼に近づく政治家、軍部、財界。彼らの支えが、猿田を増長させ、さらにその舌鋒は鋭さを増していくのだが・・・・。

1970年、久板栄二郎氏が劇団俳優座に書き下ろし、蓑田胸喜をモデルに戦後につながる狂信的国家主義者の姿を描き出した問題作が、憲法論議の高まる今、甦る!

来られる方、ご連絡お待ちしております!!